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2025/08/09

大成建設<1801>、海洋土木大手の東洋建設<1890>をTOBで子会社化

大成建設は、東洋建設の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施する。海洋土木大手の東洋建設を傘下に取り込むことで、今後拡大が見込まれる水素・アンモニアのサプライチェーン(供給網)構築などのカーボンニュートラル関連施設工事や洋上風力発電関連工事で幅広い連携を目指す。

任天堂創業家の資産運用会社で、東洋建設の筆頭株主であるヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)は系列の投資ファンドが所有する28.53%の全株式をTOBに応募する。YFOは2022年、東洋建設を買収する意向を公表したが、会社側の賛同が得られず、断念した経緯がある。

買付価格は1株につき1750円。TOB公表前日の終値1700円に2.94%のプレミアムを加えた。買付予定数は7527万8965株。下限は所有割合35.02%にあたる3303万5700株。買付代金は最大1317億3800万円。

東洋建設を持ち分法適用関連会社とする前田建設工業(インフロニア・ホールディングス傘下)は所有する20.19%(1904万7510株)の株式についてTOBに応募せず、TOB成立後に東洋建設が自己株取得(1株1476円)を行い、約281億円で買い取る。これを含め買収総額は約1598億円となる。

買付期間は8月12日~9月24日の30営業日。決済の開始日は9月30日。公開買付代理人はみずほ証券(復代理人は楽天証券)。

東洋建設はTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、同社の東証プライム市場への上場は廃止となる見通し。

東洋建設は1929年に兵庫県西宮市鳴尾地区での埋立事業を目的に阪神築港として設立。戦後、海洋土木工事を主力に建設事業を展開してきた。1964年に現社名に変更し、東証1部に上場した(2022年4月に東証プライム市場に移行)。

東洋建設をめぐっては2022年、インフロニアHDが子会社化を目的にTOBを始めたが、これに対抗する形でYFOが東洋建設の買収を目指す方針を公表したことが響き、不成立に終わった。

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