INTERVIEW

北海道で初めて手がけた不動産M&A
テンワス株式会社が語る地方進出とM&A戦略

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テンワス株式会社 不動産営業部 課長補佐 關根俊太郎氏、テンワス株式会社 財務営業部 係長 澁谷祐介氏

テンワス株式会社 不動産営業部 課長補佐 關根俊太郎氏
テンワス株式会社 財務営業部 係長 澁谷祐介氏

都心部を中心に貸しビル業を展開するテンワス株式会社(東京都千代田区)が、北海道でホテルや不動産賃貸を営む企業(本社札幌市)の株式を譲受した。初の北海道進出のきっかけや、M&A戦略、そしてM&Aに対する想いを、テンワス株式会社 不動産営業部課長補佐 關根俊太郎氏、財務営業部係長 澁谷祐介氏にインタビューした。

テンワス株式会社
ご成約インタビュー動画

まずは自己紹介をお願いします。

テンワス株式会社 不動産営業部 課長補佐 關根俊太郎氏、テンワス株式会社 財務営業部 係長 澁谷祐介氏
テンワス株式会社 關根俊太郎氏(右)、澁谷祐介氏(左)

關根:テンワス株式会社の關根と申します。新卒で入社以来13年間、不動産の営業をさせていただいております。M&A事業も数件担当しておりますが、メインは不動産の売買です。

澁谷:テンワス株式会社の澁谷と申します。私も元々は不動産営業部で關根の下で働いておりましたが、現在は財務営業部という部署で、買収する不動産の融資付けやM&Aをメインに担当しております。金融とM&Aを中心に、不動産も扱う多岐にわたる部署です。

都心部で40棟の貸しビルを所有
テンワスの事業内容と強み

貴社の事業内容、特徴や強みを教えてください。

關根:当社は都心部を中心に約40棟の貸しビルを保有・開発する賃貸デベロッパーです。創業40年以上の歴史の中で、M&A事業にも20年ほど前から着手しており、取得した法人とその資産をコア資産として保有しています。
オーナー企業であるため、決断のスピードが非常に早いのが強みです。過去には、1ヶ月でデューデリジェンスからクロージングまで完了させた実績もあります。また、資金力も豊富で、ファイナンスを受けつつも柔軟な資金調達が可能です。これらの強みを活かし、不動産ビジネスとM&A事業を展開しています。

北海道進出のきっかけとM&A戦略

今回のM&Aを検討されたきっかけと経緯を教えてください。

テンワス株式会社 不動産営業部 課長補佐 關根俊太郎氏
關根俊太郎氏

關根:当社は全国各地でM&A事業を展開しており、不動産においては都心部を中心に展開しています。北海道にはこれまで不動産の商業的なつながりがなかったため、投資先としてのフィールドを広げたいと考えていたところ、不動産M&Aの情報をご紹介いただき、北海道進出のきっかけにしたいと考えました。
今回のM&Aを機に、札幌や千歳の案件も検討するなど、北海道での事業展開が加速しています。

トップ面談で感じた「思い」とM&A成功の裏側

トップ面談の印象を教えてください。

澁谷:トップ面談では、譲渡企業の株主の方とお会いし、設立の経緯や思いを語っていただきました。M&Aは単なる案件ではなく、相手の思いを受け継ぐことが重要だと感じました。

M&Aを進める上で大変だったことはありましたか?

關根:特に大きなハードルはありませんでした。これまでの経験とノウハウがあるため、淡々と対応できた案件だと思います。

M&Aの戦略的意義とシナジー効果

今回のM&Aにはどのような戦略的意義がありましたでしょうか?

關根:北海道という新たなフィールドへの進出です。札幌市内で不動産を所有する事業会社を取得することで、その地域での情報網を広げ、さらなる事業機会につなげたいと考えています。

どのようなシナジーを見込んでのご決断だったのでしょうか?

關根:売り手企業様は主にホテルを運営している会社ですが、廃業を前提としていたため、事業自体でのシナジーは見込めませんでした。あくまで保有している不動産を目的としており、その不動産をいかに活用できるか、そしてその地域で賃貸や管理、売買などの事業を展開できるかに重点を置いています。地元の業者との接触が増えることで、新たな案件情報が入ってくることも期待しています。

取得された物件の具体的な活用プランをお聞かせください。

關根:今回取得した4件の不動産については、保有、開発、売却など、様々な可能性を検討しています。特に札幌駅前の案件は今後の可能性を秘めていると考えており、重点的に熟成させていきたいと考えています。現時点では具体的な活用プランは未定ですが、固定資産として保有しながら、状況に応じて最適な活用方法を検討していきます。

多様なニーズに応える
テンワスのM&A戦略

貴社のM&A戦略についてご教示いただけますでしょうか?

テンワス株式会社 財務営業部 係長 澁谷祐介氏
澁谷祐介氏

澁谷:当社は20年以上前からM&Aに取り組んでおり、不動産M&Aが主流になる前からビジネスチャンスを見出していました。近年では、不動産M&Aだけでなく、金融資産を持つ企業のM&A、事業を持つ企業のM&A、廃業支援M&Aなど、様々なジャンルに挑戦しています。
上場していないオーナー企業であるため、自由なハンドリングが可能であり、様々な提案ができるのが強みです。単純な不動産M&Aにとどまらず、様々な選択肢を提案することで、お客様のニーズに応えていきたいと考えています。

多くのM&A実績の中で、これまでに特に成功だったと思える案件についてお聞かせいただけますでしょうか?

澁谷:昨年、初めて事業が付いている会社を買収し、1年間運営した案件です。もともと赤字だった会社を黒字化し、事業譲渡という形で2回目のビジネスにつなげることができました。製造業のプロではない当社が、プロの製造業の方とマッチングすることで雇用も生み出すことができ、皆様が幸せになれるM&Aを実現できました。

關根:当社は「商業道徳企業」を掲げ、M&Aにおいても常に「三方よし」を追求しています。毎週月曜日に経営理念の読み合わせと議論を行い、M&Aにおける様々な問題について全員で考え、行動指針を決定しています。ビジネスだけでなく、道徳観を持ってM&Aに取り組むことで、お客様に安心してM&Aをご決断いただけるよう努めています。

商業道徳を重視する理由は何ですか?

關根:商売の根本は、誰かのためになることだと考えているからです。お客様第一主義を掲げ、人々の幸せに貢献することを追求しています。日本という国においては、道徳観を持ってこそ商売が成り立つと考えています。

不動産M&A市場の今後の動向とM&Aの意義

不動産M&A市場の今後の動向をどのように予想されていますでしょうか?

澁谷:不動産M&Aは今後ますます増えていくと考えています。昔から不動産を所有している会社をM&Aするケースもあれば、ファンドのような形でM&Aするケースも増えています。不動産仲介会社がM&Aの部署を設立するケースも増えており、不動産M&Aはさらに主流になっていくでしょう。

不動産M&Aの意義をどのようにお考えでしょうか?

澁谷:オーナー様が人生をかけて築き上げてきた会社や不動産を、私たちが継承していくことがM&Aの意義だと考えています。オーナー様のご意向を尊重し、そこで働く人々、関係する人々、そして私たちも含めて、皆様が納得できるM&Aを目指しています。

關根:後継者不足が深刻化する中で、M&Aは社会問題を解決する手段の一つだと考えています。廃業や事業承継など、様々な選択肢がある中で、M&Aは社会に貢献できる事業だと信じています。

ストライクのサービスと担当者への評価

ストライクのサービスや担当者はいかがでしたでしょうか?

關根:タイムリーかつスピーディーに、我々の要望に対応していただきました。中立な立場で交渉をまとめ、正確性も高く、安心してM&Aを進めることができました。

今後M&Aを検討される経営者の方へ

今後、M&Aを検討される経営者の方にメッセージをお願いします。

澁谷:M&Aは、人生をかけて築き上げてきた会社を今後どうするかという選択肢の一つです。不安に思われることも多いと思いますが、M&Aをすることで良い選択ができることもあります。まずはM&Aを毛嫌いせずに、選択肢の一つとしてご検討ください。

關根:当社は、ご安心いただいてお譲りいただける先でありたいと思っています。商業道徳を重んじ、企業を譲り受けた後も安心して企業を守り、発展させていくことをお約束します。ビジネスだけでなく、道徳的な観点からもご判断いただければ幸いです。

本日はありがとうございました。

M&Aアドバイザーより一言(福留 佳宏・北海道営業部 アドバイザー談)

ストライク福留 佳宏

この度は、東京都内を中心に不動産事業を展開されているテンワス株式会社様と、事業承継を希望されていた売り手様とのM&Aのご成約、誠におめでとうございます。
本件では、後継者不在でお悩みの経営者様に対し、不動産、工場、土地など様々な資産と合わせてM&Aによる事業承継を積極的に行っているテンワス様をご紹介することで、円滑な事業承継を実現できました。
ご高齢の売り手様のご意向を尊重し、3ヶ月という短期間でクロージングに至れたのも、テンワス様のM&Aに関する豊富な知識と経験、そして迅速なご対応の賜物です。
ストライクとして初めてテンワス様のご成約に貢献できたことを大変光栄に思います。今回のM&Aが、テンワス様の更なる発展、そして売り手様の未来に繋がることを心より願っております。今後も、M&Aを通じてお客様の発展に貢献できるよう、精一杯努めてまいります。

2025年7月公開

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