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2022/08/30
エイチ・アイ・エス<9603>、大型リゾート施設「ハウステンボス」を香港投資ファンドのPAGに666億円で譲渡
エイチ・アイ・エス(HIS)は30日、大型リゾート施設「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)を運営する同名の子会社(同。売上高116億円、営業利益△29億円、純資産389億円)の全保有株式66.67%を、香港投資ファンド「PAG」の傘下企業に666億円で譲渡すると発表した。譲渡予定日は2022年9月30日。HISはコロナ禍による海外旅行需要の激減で経営が悪化し、2022年10月期まで3期連続の最終赤字が予想されており、ハウステンボス売却による資金確保で経営の立て直しを急ぐ。
九州電力、西部ガスホールディングス、九電工、JR九州、西日本鉄道の地元5社は所有する残りの合計33%余りの株式について、ハウステンボスの自社株取得に応じる形で売却する。これにより、PAGはハウステンボスを完全子会社化する。ハウステンボス株の売却総額はHIS分と合わせて約1000億円とみられている。
ハウステンボスを傘下に収めるPAGは2013年に、大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営会社に出資した実績を持つ。
ハウステンボスは1992年にテーマパークや宿泊を中心としたリゾート施設として開業。佐世保市の大村湾に面し、広さ152ヘクタールの園内にはオランダの街並みを再現した。しかし、入場者が伸び悩み、2003年に会社更生法の適用を申請し、2289億円の負債を抱えて事実上破たん。その後、野村ホールディングス系の投資会社がスポンサーとなったが、再建を果たせなかった。
2010年にHISがハウステンボスを子会社化し、九州電力など地元有力企業もバックアップした。新たなアトラクションの導入など再建策を矢継ぎ早に実行し、開業以来赤字続きだったハウステンボスを2010年以降、10年連続で黒字化し、経営を軌道に乗せた。コロナ禍で足元は赤字が2年続いたが、今期(2022年9月期)は黒字化を見込む。
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